こんにちは。
FX担当の清水一喜です。
私はFXトレーダーになる前は、
グラフィックデザインの仕事を
長い間やっていました。
音楽系のイベントや
オペラ、演劇、落語、能など
さまざまなイベントの印刷物の
デザインをいろいろ作っていました。
ある時、知り合いに誘われ、
落語というものを
初めて聴きにいきました。
それは立川談志の独演会でした。
当時は、
「口うるさい人だよな」
というくらいしか認識がなく、
正直、全く期待していませんでした。
話し声も小さく、
「これで2時間は厳しいなぁ・・・」
と思いながら聴き始めました。
ところが、会が終わった後、
感動で席から立ち上がることができず、
落語の持つ世界観と、
立川談志の話芸に
圧倒されてしまいました。
これが、私の落語初体験でした。
それからは、落語の仕事を積極的に受け
噺家さんとも多く知り合っていきました。
落語家の階級には、
1.前座
2.二つ目
3.真打
と三段階のランクがあり、
前座は雑用係、
二つ目は独り立ちに向けた修行期間、
真打になると弟子を取ることができ、
一人前の落語家となります。
前座は、寄席やホールに出演しない限り、
給料はありません。
無休で無給の仕事・・・。
そのため、入門する時に
「親に生活費を援助してもらえるのか?」
と確認されることもあるそうです。
朝から晩まで
師匠の身の回りの世話をしながら、
その合間に落語を50席、
小唄や踊り、講釈などを覚えなければ、
次の段階である二つ目には
進めないと言われています。
知り合いの噺家さんは、
ある師匠の一番弟子でしたが、
何をどうすればいいかを
教えてくれる人が誰もおらず、
毎日怒られ三度も破門になったけれど、
全て自分で考えながら、
それでも諦めずに修行を続けたそうです。
普通の会社とは違い、
理不尽が当たり前の世界で、
師匠がなにをしたいのか、
なにを欲しているのかを察し、
空気を読めなければ
怒鳴られる日々だったそうです。
師匠が二本指を出す・・・
タバコを渡したら
「ばかやろう!ペンだ!!」
と怒鳴られる。
「朝日を買ってこい!」と言われ、
朝日新聞か、アサヒクラブか、
アサヒビールかを瞬時に考え
朝日新聞を持って行ったら
「ばかやろう!夕刊だ!」
と言われ、新聞で叩かれる。
なにを必要としているかの主語を言わず、
間違えると罵声を浴びせられる。
全てが理不尽しかない世界。
何年も無償で、朝から晩まで続く、
地獄のような日々。
師匠の芸に惚れてしまったがための
修行時代は本当に辛かったそうです。
しかし、そんな生活が続いたある日、
落語会の前座で落語を話していた時、
ふと、
「お客さんはどんな噺を聴きたいのか?」
観客や会場の雰囲気から、
笑いの引力を理解した瞬間が
あったそうです。
修行時代に鍛えられ、
師匠の気持ちを常に理解する
というセンサーは、
知らぬ間に落語会のお客さんの気持ちまで
察する能力を体得していたそうです。
落語の登場人物が言うセリフ。
そのキャラがどんな気持ちで言うのか?
というところまで
深く理解していったそうです。
FXも同じように、
毎日何時間も相場を見ていたり、
検証をしまくっていると、
どのような形になったら動くのかが
だんだん解るようになってくる。
買い勢力の気持ち
売り勢力の気持ち
相場の後ろにはやっぱり人がいて、
その人の「欲と恐怖」で
相場はできています。
それを理解し、
感じ取れるようになることが、
トレードが上達するために
とても必要な要素だと強く思いました。